第4章 修学旅行とバースデー

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午後はスペースワールドを見て、福岡と大分の県境の鄙びた温泉に泊まる。古そうな宿で、お世辞にも綺麗とは言いがたい。他になかったのかな…。 入る前からみんながボロいだの、きたねえ、だの、けいちゃんに文句言い通しで。 けいちゃんは苦笑いしながら、「あんまり失礼なこと言うなよ」と生徒を諌めてたけど、「俺だって、ヤダっつーの」みんながワイワイ言いながら、宿の玄関に入った時ポツリと呟いたそっちのが本音。 埃アレルギー大丈夫か?と思ったら、やっぱり鼻ぐじゅぐじゅさせてたし。 「あら、先生が風邪ですか?」 と宿の女将さんに聞かれて、けいちゃんは目を充血させながら、否定してた。 この宿は、一室5~6人の大部屋だった。夜9時以降は自由時間で、11時には消灯…ってなってるんだけど、もちろんみんな寝やしない。ジュース買ってきて、持参のお菓子広げて、ガールズトーク…と思ったら、金谷くんや酒井くん、他にも男の子がふたり遊びに来ちゃった。 金子くんの出来たてほやほやの彼女の広川さん、同じ部屋だったから。もちろん、このふたりに話題集中。 「いつから付き合ってるの?」 「告ったのどっち?」 「何処が好き?」 みんな容赦ない質問攻め。広川さんは恥ずかしいのか殆ど答えないけど、金谷くんはノリノリで答えてくれた。ノロケも全開。 なんか、いいな。こういう風にみんなの前であけっぴろげに出来るの…。ちょっと羨ましい。 ほうっと溜息をつくと、こっちに矛先が回ってきた。 「千帆こそ、どーなのよ」 「そうだよ、彼氏いるんでしょ?」 散々詰め寄られて、暴露させられる。こーゆー時の女の子の集団ってコワイよね。 「千帆の彼氏って年上なんだ」 「え、いくつ?」 「何処まで行った?」 「キスとかやっぱうまい?」 あたしのお布団の周りにみんなにじり寄って聞く。 「22? えっとえっと、最後まではしてない…。初カレだから、うまい言われても、わかんない…」 とりあえず、けいちゃんのプライバシーの侵害にならないような当たり障りのないことだけ、答えてみた。 そんな感じで盛り上がってたら、ある子のスマホにラインのメッセージが入った。同じクラスの別の部屋の子。 「今、遠藤ちゃん点呼回ってるよ~、…だって」
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