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そっか。『彼女』だったら、当然そういうのも行くよね。総合体育館、駅からバスが出てるよね。金曜だったら、予定ないし。
「いいよ、行く」
あたしのOKの返事は酒井くんにはすごく意外だったらしい。
「え、マジ? ホントに? 俺、平泳ぎの400メートル1種目しか出ないから、退屈かもよ、春日」
マイナス条件と提示しながらも、酒井くんは嬉しそう。
「七海誘って行こうかな、と思うんだけどダメ?」
「いいよ、全然。つか、絶対その方がいい。ひとりだと、暇だよ。俺、自分の競技あるから傍にいれないし」
部の大会で選手としてくるんだから、そりゃそうだよね。
「なんか持ってくものとかある? バナーって言うんだっけ、ああいうの作ったりするの?」
「いらねえよ、あんなの。恥ずいから、絶対やめて」
「…そ、そうなんだ」
オリンピックの水泳大会のイメージとは、そりゃ違うらしい。こういうスポーツ大会とは、無縁の生活送ってきたから。
「春日おもしれえな」
「…無知で、すみません」
「いや。春日がきてくれれば、俺はそれだけで…あ」
「何?」
「調子こいて、もう1個お願い聞いてくれる?」
にやりと笑って酒井くんは言った。
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