第4章

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「じゃあ行きますね。ありがとうございました」 そうしてしばらく笑った後、感謝の言葉を伝えた私は、運転手さんを目に焼き付けながら手を振った。 棒立ちの運転手さんも慣れない動作で振り返してくる。 その動作がまた可笑しくて、私は一人で笑いながら前を向いた。 さぁ、行こう。 夜の街。しかし周りには明るい光がたくさんある。 同じように私の心の中にも電灯が立った。 これからはどんなに暗い時でも、この電灯が私の足元を明るく照らしてくれるだろう。 これからも生きていれば辛くなることがきっとあると思う。けれど幸せなこともきっとある。良い出会いもきっとある。きっと誰かが助けてくれる。 だから私は長く生きたいと思う。
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