第5章  翳り 《辰乃》

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「その、来週末は 弟の新居に招かれた」 そう言って目線を外す。 招かれたというのはつまり、 来週末は会えぬということか。…… 「た、確か武蔵野と 言うていたよな。 道中気をつけてな……」 他に気のきいた言葉も 思い付かぬ。 阿万音は、 ああ、言って短く笑う。 去っていく後ろ姿が 普段よりも遠く感じたのは、 きっと予感だったのだ。…… 
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