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あれは誰だ、と咲子に問う。
咲子は女学生当時の
同室の後輩だ。
私の試合を応援したいと言うので
連れてきてやった。
「まあ、お姉さまが
殿方に興味を持つなんて珍しい」
からかいたいのか何なのか、
こういう類の会話は苦手なのだが
咲子はお構いなしだ。
「そういうわけではーー」
面倒なので
それ以上は話を広げず
とっとと表彰台にのぼった。
女子の準優勝が私で、
男子の準優勝があいつか。
ふうん。
だからどうということもない。
帰ろうと思うて
道具を片付けていると、
声をかけてきたのは向こうだった。
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