第2章  寂しさの色は《和助》

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あーあ、 今日も元気にフラれたなぁ。 掘っ立て小屋の 縁側に座って見上げた空は 辰乃に似合いそうな茜色。…… あんな色の帯でも贈ったら、 少しは僕のこと 気にかけてくれるかなぁ。   帯……帯か。 でもそんなもの贈ったらこう、 ほどきたいって 言ってるみたいに思われない?  考えすぎ? ……そりゃほどきたいけども。 って何考えてるの僕は。      不毛な自分会議にも いいかげん飽きてきた。 そろそろ振り向いてくんないかなぁ。 二十歳のひとから見れば 15の僕なんて子供かなあ。 互いに三十路くらいになれば 気にならないと思うんだけどなぁ。 「……あーあ」
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