28人が本棚に入れています
本棚に追加
人買いのおにいさんが
言うことには、
なんでも僕は器量良しだから
男でも女でもどっちでも
買い手はつきそうだ、
一応聞く どっちがいい。
今思うと、
そこ聞いてくれただけ
親切な人だったのかもしれない。
ただ10歳の僕は
何だかよくわからず、
何となく男は嫌だと思って
「じゃ、女?」
みたいに適当に答えた。
答えたような気がする。
……でもあの脂粉香水の
記憶を思い出すと
いろいろと吐き気がしてくるから、
この下りはあまり
突っ込まないで欲しい。
そのうちに
奇特なおばさんが現れて
僕を身請けしたいというので、
この人なに考えてるの。
とおもいつつ
今の生活よりはましだなと思って
おいそれとついていった。
最初のコメントを投稿しよう!