《第1話 辰乃編》第1章《辰乃視点》

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明治16年ーー。 「でぇい、つきまとうな この子だぬきめがっ」 「そんなぁ、辰乃ー」 「寄るでないっ」 まったくこのガキは何なのだ、 たかだか15のくせに 5つも年上の私に本気で迫ってくる。 頭おかしいのではないか? ああ、そんなほっそい肩をして。 「冗談は背丈だけにせい」 「ひっっどい! 僕が一番気にしてること ズバッと言った! 辰乃は大女だけど 僕そんなの気にしたことないし 愛してるのに!」 大、オンナ……。 確かに私は骨太で5尺2寸 (157㎝)の大女だ。 やはりこやつの目にも そう見えるのか。 正直胸が痛い。 でもこんな弱気は 絶対に悟らせたくない。 (※当時女性の平均身長145㎝)
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