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明治16年ーー。
「でぇい、つきまとうな
この子だぬきめがっ」
「そんなぁ、辰乃ー」
「寄るでないっ」
まったくこのガキは何なのだ、
たかだか15のくせに
5つも年上の私に本気で迫ってくる。
頭おかしいのではないか?
ああ、そんなほっそい肩をして。
「冗談は背丈だけにせい」
「ひっっどい!
僕が一番気にしてること
ズバッと言った!
辰乃は大女だけど
僕そんなの気にしたことないし
愛してるのに!」
大、オンナ……。
確かに私は骨太で5尺2寸
(157㎝)の大女だ。
やはりこやつの目にも
そう見えるのか。
正直胸が痛い。
でもこんな弱気は
絶対に悟らせたくない。
(※当時女性の平均身長145㎝)
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