第2章  寂しさの色は《和助》

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「いいから食ってやれよ  捨てるわけにもいかねぇし」 「当たり前だろ!」   しょうがないからかじりついた。   はは、僕もいろんな冷飯 食べてきたけど ひときわ不味い。 「旨いかよ」 「うん死ぬほど」 兄さが手を叩いて笑ってる。 なんか腹立つな。 「兄さは変わり者だよ」 「ああ?なにが」 「僕みたいの 引き取っちゃうしさあ」 「そりゃおめぇ、 妹が可愛がってた ガキみてぇだし……」 兄さが少し 気まずそうに口を抑える。 やめなよ似合わないから。 「あのさぁ。 聞かれなかったから 言わなかったけど、 ぼく紗和さんとは何もないよ」 エッ、という顔がこちらを見る。 まあそうだよね。
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