《第1話 辰乃編》第1章《辰乃視点》

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「黙れ。お前などいらんと 何度言ったら分かるのだっ」 「うーん、一万回?」 「お前などいらんお前などいらん お前などいらんお前などいらん お前などいらんお前など……」 「辰乃ー!」 「泣くな男が、とっとと帰れ!」 本当だ仕事を終えたんなら とっとと帰れ。 ガキのくせに 女くどきのためだけに 毎日毎日居残りおって。 毎日毎日、 なぜこやつはへこたれないのだ。 普通これだけ振られ続けたら 心折れるだろうバッキリと。  いつの間にだか 辰乃呼ばわりであるし。 お前以外の奉公人は全員 『お嬢さん』と 呼んでくれるんだぞ 知らぬわけはあるまい!
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