第4章  意地張り 《和助》

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「待て、私の意思は無視か」 「辰乃は何でそう 自分を卑下するの。 可愛いって言ってるのに」   ずいっと迫ると 見るまに辰乃の頬が 染まっていく。 にもかかわらず、 「かわいくなど……ない」 なんて言う。 これはまずい。 とてもまずい。 「あ、あのさあ辰乃? ひとつだけお願いしたいことが あるんだけど。 その、僕の前であまり 意地張らないで」 はあ? と苛立たしげな表情が返る。 そんな顔さえ……。
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