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この小男は奉公人の和助と言って、
こまねずみのようにくるくる働く
うちの店の便利な使い走りだ。
が、菓子屋『八ツ志摩堂』
2代目(=父)の長子にして
次期3代目跡継ぎの私に、
こりもせずこの通りの態度。
勤めだして三ヶ月にも
満たないくせに、
実際とんでもないガキだ。
「辰乃は何でそんなかたくななの」
「いいから帰れ」
「やだねっっ!
うんと言うまで帰るもんかっ!」
ブチッ、
と私の堪忍袋の緒が切れる。
クソガキ……殺されたいのか。
居合い用の太刀を抜いて
スラッと首もとに突きつけてやる。
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