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「辰乃に意地張られると、
その、困る。
ちょっと可愛すぎて
抱きしめたくなる……から?」
思わず口を抑えた。
えっと僕いま何て言った。
辰乃っ、うわぁ……
桜餅みたいに染まって
かたまってるよ、
嘘でしょ。
その顔はなんかもうズルい。
「その違う!
違うからえっと、
ごめんなさい本当違うから」
所持品半分くらい放ったまま
逃げるように帰ってしまった。
もの凄くバカみたいだな。
何やってるの僕。
でもあんな顔をまた見たら
次は抑えられる自信ないな。……
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