第4章  意地張り 《和助》

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過去には人に言えないような 生業に手を染めといて、 今さらあんなんでなぜ照れる。 どうでもいい人を相手にするのと 好きな子を相手にするのとじゃ こんなにも違うもの……? 「ああもうっ」 手習いの本まで 更衣室に置いて来ちゃったし。 教養ないに等しいんだからと思って 初給料でやっと買った本、 毎日一行は読もうと 細々と努力を続けている。 もしいつか僕に子供ができたら、 その子にはできるだけの教育を 受けさせたいなあ。 まともに娯楽本も読めないような、 僕のような人間にしちゃいけない。 辰乃はきっと 優秀な生徒だったのだろう。 それに並びたいというのは 高望みでも、 この先せめて世事くらいは 支障なくこなしていきたい。 僕にも 矜持というものがある。……
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