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週末の日暮れはいつも、
阿万音と連れ立って
どこへともなく街を歩く。
ただ歩いて、
会えぬ間にあった
たあいもない話をする。
別れの四辻が近づけば
いつものように差し伸べられた
しなやかな腕。
けれどもそれは
この首に届く前に、
すっと引いた。
また だ。
先週末も、
差し伸べられたその腕が
肩に回りきることはなかった。
あの時はたまたまだろうと
思ったけれど、
2度目ともなれば話は変わる。
どうかしたのかと
思うばかりで声にならない。
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