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別れの道は
景色のすべてが
白い霧に飲まれたように
おぼついて良く見えなかった。
どこをどう歩いたのか、
気付けば家に帰りついた私は
居合いの真剣を手にして
また家を出ていた。
なぜそんなことをしたのだろう。
阿万音との最初の出会いを
無意識に思い出していた……
のかも、しれない。
布にくるんだ剣を抱えて
ふらふらと土手を歩けば
江戸川の水面が
涼しげに煌めくのが目に映る。
足の向くままに土手を降りて、
砂利を踏みしめ
しゃがみこんで
水面に顔を映した。
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