《第1話 辰乃編》第1章《辰乃視点》

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「ヒッ!!……な、なんて、はは、 試合の道具を愛する人が それで人殺しなんて できるわけな……インド!!」 ヒュッと一閃させた切っ先で 和助の着物だけを 袈裟懸けに裂いた。 後でキレイに縫合できるよう、 スパッと切れ味良くなあ。 「うっ……、きっっ、 今日はかか帰るけど、 明日また来るからねッ」 「ふん、おとといきやがれ」 「一昨日はきたでしょ!」 そういう意味じゃねぇよバカ。 はー、やっと今日も 帰っていったか。 疲れた…… 仕事をしている方がずっと楽だ。 あいつとの会話は 体力をゴッソリ持っていかれる。 こきこきと肩を鳴らして 母屋に上がる。 ……ああババ臭い。 もう二十歳だが まだ二十歳だというに。
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