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「何でこんなこと、
どうしたっていうの」
「……お前こそ、
こんなところになぜいる」
和助だった。
真剣を奪った手が震えている。
剣など
手にしたことがないのだろう。
「なんでって、
だって僕んチあそこ」
「は?」
和助はすぐそこの
河川敷の端に建つ
今にも崩れそうな
あばら家を指差した。
私が怪訝な目を向けると、
和助はやや憤慨した。
「な、なんだよ
そんな目で見ないで。
老舗店のお嬢さんの辰乃には
ちょっと分かんないかも
しんないけど、
人にはいろいろ
事情ってもんがあってね」
「……。あっ、いや、悪かった」
「……えっと、違うよ?
僕 べつに
住所不定の人とかではないよ
片足突っ込んでるのは確かだけど。
って、僕のことは
この際どうでもいいよ」
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