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「いっ、いや、何でもない。
すまぬ気にするな」
そうか。と短く言って短く笑う。
ほら、この人は大人だ。
お前なんかとは違ってな。
……って、
またあいつのこと考えとる。
あああもう、
下手な流行り唄みたいに
何度も何度も
脳内再生してきおって。
……好きだよ辰乃
かわいいよ辰乃
愛してるってば
何で逃げるの、こっち向いて
……愛してる
「やめんかーッ!!」
「……辰乃、具合でも悪いのか。
妙なキノコなど
拾い食いしたのではないか」
はっ、ま、またやってしもうた。
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