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「化物は、自称天使らしいですよ。私は悪魔だと思ってますがね」
ライサンダーの言葉に、皆は僕を見つめる。
僕は大きく息を吐いて言った。
「ライ?それは言ってはいけないって、父様から言われたはずでは「私をその名で呼ぶな!化物!」・・・・・・・ライ・・・・「煩い!お前は、私の兄なんかではない!父様もお前の父様なんかではないんだ!お前は捨てられたんだからな!」・・・・」
ライサンダーの言葉に、アルバート達は沈黙する。
今の言葉で、僕達の関係が一瞬で分かってしまったと思う。
僕は息を吐いて言った。
「僕は、ライサンダーの双子の兄として生まれたんですよ。でも、僕には役目が有った。だから、僕は・・・・・・・教団に出されたんです」
自分の胸を抑えて僕は悲しげに言った。
「役目って・・・・・?」
アリスが言ってきた。
「世界の理から外れてしまった多くの命達を、本来の流れに戻す為に神樹様に捧げる事」
僕の言葉に、目を細めるようにしてナイトが言った。
「それって、教団が掲げている教義ですよね?」
僕は頷いて言った。
「そうですね。僕はそれを実際に行えるんです。これは・・・・・・僕への罰。僕はそれを償わなくてはならない・・・・・・」
「罰?どういう事?」
呟いた僕の言葉に不思議そうにアクアが言った。
「言葉のままです。僕は・・・・」
そう言った時、教室の戸が開いて先生が入って来た。
皆は慌てて自分の席に座った。
先生は、教室を見回して全員が座っているのを確認して頷いた。
「うん。全員居ますね。ああ。昨日、入学式の前に倒れたと聞きましたが、もう大丈夫ですか?メル・ガードナー君」
僕に気がついて先生が言った。
「はい。大丈夫です」
僕の言葉に、頷いて先生は教卓に水晶玉を二つ出した。
「では、昨日予告したように直ぐに始めます。廊下の一番前から順番に来なさい」
その言葉に、緊張した様子で次々に生徒達が水晶玉に触れていく。
先生は属性や数値を記録して行く。
属性は皆、大体一つで、稀に二つ持ってる者も居る。
量は学生なら大体・・・・・平均で2万位。
中には3万近い者も居た。中々有能な生徒が多いようだ。
僕に話し掛けて来た彼等・・・・・・皆が貴族だけど、彼等は平均で4万位有る。
ナイトなんか五万も有った。
属性はそれぞれの貴族の属性が有って、弱いけど別の属性も持ってた。
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