学園入学

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そして、いよいよ僕の順番。 う~ん。どうしよう。 僕は水晶玉に手を触れるのを躊躇った。 「どうかしましたか?何も有りませんから、早く手を触れなさい。魔力を僅かに流すだけですから」 僕は溜息をついて、先ずは属性の方に手を触れる。 すると、水晶玉は真っ黒になった。いや。普通の黒さじゃない。本当に漆黒という色合いだ。 先生は驚いた様子で、水晶玉を見る。 「え?これは?」 僕は溜息をついて言った。 「僕・・・・・本当の意味での全属性なんです。色が全部混ざってるからこうなるって言われました」 僕の言葉に、僕と水晶玉とを何度も見比べる先生。 僕は属性の水晶玉から手を離すともう一度溜息をついて言った。 「あの・・・・・・魔力量は・・・・沢山って言うんじゃダメですか?僕が水晶玉に触れると・・・・・・壊しちゃうと思うんですが?」 僕の言葉に、先生は僕を見て怒った様子で言った。 「何を言ってるんですか!ちゃんと調べないと分からない事ですよね!勝手な判断はしませんよ!測れない何て事は無いんですから!」 そう言った先生に、僕は大きく息を吐いてそっと水晶玉に触れた。 その瞬間に水晶玉はまるで砂のように崩れてしまった。 「は?え?あ?何で?」 僕は溜息をついて言った。 「僕・・・・・教団で測った事が有るんです。僕の魔力は特殊なんですよ。前にもこうなりましたから・・・・・」 僕はふうっと息を吐いて言った。 「席に戻っても良いですか?」 唖然っとしてる先生に僕は言った。クラスの皆も僕が普通とは違うって感じたようだ。 小さな声で話してるのが聞こえた。 見た目子どもなのに、恐ろしい奴だってね。 まあ。そう言うよね。仕方ないかな。僕は静かに席に戻って座った。 その時、ちょうど先生も正気に戻って、急いで僕の事を記入すると水晶玉をボックスに入れると言った。 「気を取り直して、次は魔武器を作ります。その為に、訓練場に移動します。ついて来てください」 そう言って教室を出て行く先生の後を全員が着いて行く。 僕も、無言で立ち上がると歩き出した。 アルバート達は、黙って着いてくる。ライサンダーが、得意げに言った。 「私の言った通りでしょう?彼奴は化物なんですよ」 ライサンダーの言葉に、悔しそうにするアルバート達。 認めたく無いって感じかな?でも、当然の反応だと思うよ。
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