第1章

11/11
前へ
/11ページ
次へ
お前1人で頑張ってるのに 余計なこと言って思い出させてさ、お前が辛くなったらいけないと思って黙ってたんだ、俺・・・。」 「なんだ・・同じこと想ってたんだ。 私も!お母さんが見てくれてるような気がしたの。気のせいかもしれないけどね。」 「気のせいじゃないよ、きっと。」 そう言うと、旦那が私の肩をポンポンとたたいた。 旦那の顔を見ると やっぱり泣いてた。 クスッ なんだか嬉しくて恥ずかしくて 照れくさくて おかしかった。 あんなに子どもじみてた旦那が 急にしっかりしちゃってさ(笑)。 「広菜、産んでくれてありがとうな。」 そう言う旦那の顔を見ようと ふたたび顔を上げたら 見られたくないのか、 旦那 顔だけそっぽ向いて笑ってた。 こんにちは、赤ちゃん。 赤ちゃん、 いっぱいいっぱいママの母乳を飲んで 元気に大きく育ってね。 そして、健康に長生きしてください。 いつかあなたがひ孫の顔が見れるくらい元気に長生きしてくれることをママは祈ってます。 ママにママはいないけど これからはママが全力であなたを守るから。 不思議なことに お母さんが亡くなってから 他人の人がとても親切だということに気づいた。 何でこんな風に私にしてくれるの?って不思議に思うけど。 ありがとう。 とても有り難い。 私は、こんな頼りないママだけど。 これから精一杯頑張るよ。 1日も早く、癌で苦しむ人がなくなる日がきますように。 癌という病気が、この世からなくなる日が早く来ますように。 いつかまた ゆっくりと紅茶を飲める日がきたら クロワッサンを焼いて 美味しいおやつタイムを過ごしたいな。 元気に帰る子どもの ただいまの声を待ちながら。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加