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漆黒の画面に、《9999番》という文字と一緒に〔商品〕が映しだされると、会場が騒めいた。
「へぇ、美しいじゃないか。だが値が上がらんな……」
「中身が良くないんだろう」
隣に座った男が言った。
「なかみ?」
「前の持ち主もそれで手放すことを決めたという噂さ」
「しかしあの種類は……
所有者が支配者となり手を加え、管理することもできたはずじゃなかったか?
確か……カミ、……なんて呼び名があったと思うが」
「ああ、それね。大昔の話だろ。
今更 中身の腐りかけてるアレの「神」になんてなろうとする物好きがいるかどうか……。
何度も同じ過ちを繰り返すらしいからな、アレに住む者達は。
かろうじてまだ外見だけは美しいから観賞用くらいにはなるだろうが」
「お、見ろよ。誰かが落札したぞ」
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