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全員の目が、指さされた所を見る。
小学1~2年生位の女の子が、コンビニの屋根の上から手を振っているのが見えた。
AAV‐7がコンビニの直ぐ傍に横付けされる。
車両の上面から、コンビニの屋根の上に隊員の1人が飛び上がり、泣きはらした目を隊員に向ける女の子の傍に片膝を付き、優しく声をかけた。
「もう大丈夫だよ」
女の子の身体を持ち上げ、車両の上で女の子を受け取ろうと待ち構える同僚に渡そうとした時、女の子が声を上げる。
「食べ物持って行かなくて良いの?」
女の子の言葉に隊員が周りを見渡すと、カゴやビニール袋に入れられた、パンやお菓子に飲料水が目に入った。
その事を車長に報告する。
彼らは昨晩出動してから何も食べていなかった事もあり、車長は女の子から食料を分けてもらい、休息を取る事にした。
昨晩からの任務により疲労が溜まっていた彼らには、甘い菓子パンやお菓子はご馳走である。
彼らは交代で食事を済ませ、仮眠を取った。
彼らは食事を取りながら、代わる代わる女の子に声をかける。
「お嬢ちゃん名前はなんて言うのかな?」
「宇宙(そら)」
「宇宙ちゃんって言うんだ。
歳は幾つ?」
「8歳」
「他の人はどうしたの?」
「逃げた」
「宇宙ちゃんを残して!?」
「お姉ちゃんが止めようとしたけど、トラックにしがみついたお姉ちゃんを振り落として逃げた」
「なんて野郎だ! 見つけたらぶち殺してやる」
隊員達の質問は、宇宙が安心したのか船を漕ぎたした所で終わった。
休息が終わり、AAV‐7は宇宙を起こさないようにゆっくりと発進する。
前方に幹線道路が見えてきた所で、車長が操縦手に指示を出す。
「幹線道路は放棄車両で一杯だろうから、放棄車両が少ない裏道を行こう」
「了解! そこの道を左に曲がってみます」
「任せた」
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