プロローグ

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車長と砲手は小銃を手にして、AAV‐7に駆け戻ってくる隊員達の援護射撃を開始、操縦手はエンジンをかけ後部ハッチを開ける。 遊歩道上に散開していた隊員達の中には、自分に向かってくる感染者とAAV‐7の位置を見比べたあと、土手の下に駆け下り住宅街に走り込んで行く者もいた。 AAV‐7の近くにいた隊員は直ぐに乗車せず、車長や砲手のように援護射撃を開始。 そこかしこから湧き上がる銃声に引き寄せられ、感染者が次々と土手を這い上がり、河を渡河してくる。 1人の隊員が、土手を這いずり上がってきた感染者に捕まり、その足首の肉を噛み千切られた。 彼は足首の肉を噛み千切り、その肉を咀嚼している感染者の頭に小銃弾を撃ち込み、続いて自分の顎の下に銃口を押し付け、引き金を引く。 駆け戻ってきた隊員達が次々とAAV‐7に乗車し、ベンチに座り込む。 彼らの顔は一様に、恐怖と疲れで強張っていた。 AAV‐7に駆け寄ってきた隊員が皆、乗車した事を確認した車長は、援護を行っていた隊員に声をかけて乗車させ、後部ハッチを閉める。 車長は、乗車した隊員の中の最上級者の一曹に声をかけ、乗車した隊員の人数確認を求めた。 「一曹! 人数確認と傷の有無を報告しろ」 「乗車人数は14人、噛まれた者はいません」 車長に操縦手が声をかける。 「避難所に向かいますか?」 「否。 避難所に向かうには、放棄車両で道が塞がっている、幹線道路を進まなくてはならない。 この遊歩道を行ける所まで進み、その後は、土手の下の道を進か、河を遡上するか、その時決めよう」 「了解」
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