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バリケードを築き終わってから、次々と増えるゾンビの姿を見ていた中高生の1人が、配送の男に声をかける。
「数がドンドン増えているけど、ガラス割って入って来ませんか?」
声をかけられた男は店内のあちらこちらを眺めてから、返事を返す。
「ヤバいかも知れないな。
おいお前ら、天井に穴を開けて屋根の上に上がれるようにしろ」
控え室の天井に穴が開けられる作業を、控え室に置いてあったテレビを見ながら監督していた男は、穴が出来上がったあと次の命令を発した。
「何時まで籠城する事になるか分からないから、店にある食い物や飲料水をカゴや袋に入れて、上に運び上げろ」
その命令口調にカチンとした中高生の1人が、反抗的な言葉を口にする。
「遣るのは構わないけど、オッサンはまた見ているだけかよ?」
男は直ぐ脇に立てかけてあった木刀を手にし、反抗的な言葉を口にした男の子の肩に、力一杯振り下ろす。
肩の骨を砕かれ、悲鳴を上げのた打ち回る男の子の胸に、男は足を乗せ押さえつけ、周りで震え上がっている残りの中高生達に声をかけた。
「遣りたくなければ遣らなくてもいいんだぞ!
ぶち殺すだけだからな。
人数が少なければ少ない程、食い物が長持ちするんだ。
お前らはどっちだ?」
残りの中高生達は首を上下に動かしながら、足早に店内に行き言いつけられた事を始める。
男はガムテープと紐を持って来させ、肩を押さえ泣き叫んでいる男の子を、縛り上げ口に猿ぐつわをした。
続いて、モップや木刀の先端を尖らせる作業を行う。
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