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「ああ……すたいん……うえ?」
自分の寝言で目が覚めた時、愛美は柔らかい感触の上に、大の字になっていた。
見たことのない白い天井に、オレンジ色の間接照明が輝いている。
何がどうなったのだろう、確か自分は打ち上げの場で、ピアノを弾いていたはずだ。
まったく回らない頭でのろのろ起き上がり、ふと隣を見る。そこにはうつ伏せになって眠る雄介がいた。
「ひ、ひええええっ!」
間抜けな声を上げながら、跳ねるように身を離した。すると強い震動が伝わったのか、雄介がうっすら目を開けた。
「……よう」
「お、おおうっ」
上ずった返事を返すと、雄介は眠そうなようすで、大きなあくびをした。ゆっくり起き上がった姿は上半身裸だ。愛美は目を見開いたまま、ますます後ずさった。
「あー……だり」
「ここ……どこ?」
「どこって……まさか、わかんねえの?」
「うん……」
確認されて、ドキドキしてくる。雄介は真面目な顔で、まっすぐ愛美を見つめた。
「ここな……ラブホ」
「え、えええええーっ!」
愛美は思い切りのけぞった。
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