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本当に心配そうな顔をする。
同じ経験があるから気を遣ってくれているのか。桂斗もきっと辛かったんだろうにそんなことは周りに知られないように、淡々と仕事をしていたじゃないか。
そんなに俺に甘くしてどうするんだ。
彼の優しい言葉に絆されてしまう。あまりにかわいくて心を絞られるように切なくなるじゃないか。つい愛おしくなって彼に触れたくなってしまう。
頬に手を伸ばすとびっくりしたような顔を一瞬見せたが、目を逸らせてすり抜けていく。
「俺は・・・・ここまで来てもまだ迷ってる」
「えっ?何を?」
「お前を舎弟にしてよかったのか・・・・墨入れなんてしたら、もう足抜けできない」
「足抜けするつもりはないし・・・・」
もう一回彼の頬を両手で包み込んで顔を近づける。絶対に逃がさない。
「アンタが地獄に堕ちるなら、一緒に地獄に堕ちる」
ゆっくりと唇が重なる。彼の長い睫毛が頬に触れるのがわかる。
「ん・・・・ふっ・・・・」
息を吸おうと口を開けた途端、彼の口腔内に舌を滑りこませると、彼の熱い舌が絡みついてきた。歯列をなぞり上げたり舌を吸ってみたりしても抵抗しない。逆に一生懸命同じようにしてくれることが、自分を求めてくれてているのだと自信をくれるようだ。
「ぷはっ・・・・も・・・息吸えない・・・・だろっ・・・・///」
「熱烈なキスだったね」
「恥ずかしいこと言うなって///」
さっきまでお互い貪るような激しいキスをしていたのに、急に跳ね除けるようにグッと胸を押して躰を離そうとする。
「なに?どうしたの?」
「今夜はもう寝ろ」
「えっ?こんなに盛り上がってるのに?」
「体力を残しとけ。無駄なことに消費するんじゃねぇ」
「アンタと抱き合うことは無駄な事じゃないよ」
「・・・・・・・////」
「ここ3日してないよ。そんなんで桂斗は平気なの?」
「あっ・・・・あったりまえだ」
「ずっと毎日抱き合ってたのに・・・・」
「そんなに・・・・ヤッたら早く飽きるだけだ」
「飽きるはずないだろ、アンタは自分がどれだけエロいか知らないんだから・・・・・そんな欲求不満の躰で外歩ったら男が寄って来ちゃうじゃん」
「なに言って・・・・///」
「一番要注意は雷文虎太郎だよ。アンタのフェロモンを嗅ぎつけて襲ってくる」
「あれは俺のオヤジだぞ」
「飛びぬけて変態でドSで節操なしの・・・・ね」
それには彼も反論せず黙り込んでしまった。
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