21、ショウタイ

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大事なテスト期間だけれども、 気になってしまうのは、先週から続いている妙な出来事の数々。 さすがに刃物が刺さった林檎が靴箱に置かれているなんて堪えてしまう。 まさか今日も何かが―… 緊張しながら靴箱へと向かう。 と、 「―…」 私の靴箱に茶色い封筒が置かれていた。 まさか、また刃物とかが入っているんじゃ…… ドキドキしながら、そっとその封筒に手を伸ばす。 注意しながら確かめてみると、中に刃らしきものが入っている感触はない。 封はされていなくて、中身を確認してみると写真が一枚入っていた。 だけど、ホッと安堵なんて出来ない。 そこに映っていたのは私と―… 「つげ……さん……?」 白いセダンの運転手席側から顔を出している柘植さん。 これって、先週金曜日の帰宅途中のもの―… 何時の間に?誰が? こんな写真を撮られた覚えなんて全くない。 もう一度、封筒の中身を確認してみたり、写真を裏側にしてみたりもしたけれども、入っていたのはこの一枚だけでメッセージだとかそういったものは書かれていない。
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