21、ショウタイ

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床に散らばった、コピー用紙―… 一枚、一枚、拾い上げてみると、そこには全て遊園地で撮ってもらった私と悠馬の写真が印刷されてある。 その中には、また赤字で文字が書かれているものもあった。 〝ユルサナイ” 「―…〝許さない”」 今度は大きくそう書かれてあった。 これらをポストに入れたと思われる人物は、私の中ではやっぱり一人しか思いつかない。 だって、私と悠馬の他に、この写真の存在を知っているのも彼女一人だけだから。 「岬先生……」 そう岬くるみ先生しかいない。 校内で起こる嫌がらせ、無言の電話、柘植さんの写真、休日の悠馬と私の写真―… それに書かれている文字だって、やっぱり岬先生が柘植さんに好意を持っているとしたなら理解出来るし、このコピー用紙に書かれた文字も柘植さんと会っているくせに悠馬とも会っている私に対しての気持ちだと思えばおかしくはない。 こんな疑いを持ちたくない。 持ちたくない、けど、辻褄が合うことが多くて疑ってしまう。
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