14人が本棚に入れています
本棚に追加
あの、キャーキャーは高城先輩に向けてのものだったんだ。
でも……あ、見つけた。
私は高城先輩じゃなく、また綺麗なパスを出した先輩を見つめた。
本当に綺麗なパス。
味方の手に真っ直ぐに吸い込まれていくパスから目が離せない。
試合は高城先輩のチームが圧倒的な強さで勝った。
「見た見た?
高城先輩最高。私バスケ部に入ろうかな」
早紀が私の背中をバンバン叩きながら言う。
「ねー、菜緒もバスケ部に入ろうよ」
「うん。私、バスケ部に入る」
私の言葉がよっぽど意外だったのか、早紀が驚いて目をまんまるにしている。
「ほんとに?」
「うん、本当。私、男子バスケ部のマネージャーになるよ」
最初のコメントを投稿しよう!