一月十一日*三粒目

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   「岩下と、友達なったんやって?」  「えっ」  突然岩下ルミの名前が出て、動揺してしまった。  友達になった? 私が? そんなの初耳だ。  ライバルだと宣言はされたけれど……。  「なんか、睦月のこと『見直した!』とか言ってたで。何話したん?」  「え、えっと……」  どう答えていいものかわからず、私は言葉に詰まってしまう。  こんな会話、したことあったっけ?  必死に記憶を掘り起こすけれど、心当たりはない。  岩下ルミとのやりとりを思い起こしても、光輝に話していいところは見つからなかった。  「えーっと、あのー……言いたいこと、言っただけだよ」  「言いたいこと? 何?」  「そ、それは秘密! 女子だけの話だから!」  「ふうん……」  納得しているようないないような。  複雑な表情を見せる光輝だけれど、これ以上は言えない。  光輝を取り合ってやりあったんだ、なんて言えるわけがなかった。  そういえば、岩下ルミの告白はどうなったんだろう?  光輝はいったい何て返事したんだろう……?  ちらり、彼の方をうかがうと、ばっちり目が合ってびっくりした。 .
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