一月十一日*三粒目

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   「ち、違う……だってそれは夏祭りで……!」  「夏祭り?」  「あっ、ええと、そうじゃなくて……!」  今の光輝に夏祭りのことを言っても仕方がない。  でも急に早まった告白のタイミングに、動揺しかなかった。  なんで今日? いきなり?  パニックに陥った私を引き戻したのは、手の震えだった。  私のじゃない、光輝の手が……わずかに震えているのだ。  平気そうな顔をしているけれど、きっと緊張してるんだ。  夏祭りの日だってそうだった。  初めて手をつないだあの時も……光輝は私に見えないように少し前を歩いていたけれど、私は知っているんだ。耳まで真っ赤になっていたってこと。  「睦月、返事、ちょうだい」  「あ……、と」  ゆっくりした口調だったけれど、私の意識を彼の告白へと引き戻すには十分だった。  大好きな光輝からの、告白。答えなんてひとつしかない。 .
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