一月十一日*三粒目

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   「私も……光輝が好き。光輝と、付き合いたい、です」  そう言って、手をきゅっと握り返した。  記憶とは全然違うシチュエーションだし、告白も返事も、違ってる。  それでも気持ちは同じだった。  「……よかった」  ぽつりと呟いた光輝は、少し照れ臭そうに笑った。  私も笑う。嬉しさと可笑しさがごっちゃになってるけれど。  ふーっと、大きく息を吐き出した光輝が頭をかいた。  「あー……めちゃくちゃ緊張したー……」  「本当に?」  「当たり前やろ。なんか自然に言うてもうたけど」  「ほんと、めちゃくちゃさらっと言ったよね」  「睦月、最初意味わかってなかったもんな」  「だっていきなりだったし! あんな風に言われるなんて思ってなかったから……」  「うん、それはごめん。でもなんか、この景色見てたらさ」  さっきよりも色が濃くなった夕日。満開の藤の花。遊具の影。  世界は綺麗なものでできているって、今なら信じられる。  「睦月に言わなって。友達じゃない睦月を見たいって思って」  「……うん」  私も同じ。もっといろんな光輝を見たい。知りたい。  初めて友達になってくれた彼は、彼氏になってから……もっと私を大事にしてくれるってわかってるから。 .
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