一月十一日*三粒目

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   「それに、ちょっと焦ってたし。睦月、男子に結構人気あるし」  「はっ!? そんなわけ……!」  「睦月が知らんだけ。人見知り発揮するしな。遠巻きに見てる奴、何人か知ってるし」  「そ、そうなんだ……」  それは知らなかった。男子は怖いし、近づかないようにしてたから。  私には光輝しか見えてなかった、っていうのもあるかもしれない。  そんな私が他の男子に気持ちが向くなんて、ありえないのに……光輝は信じられなかったのかな。  ちょっとだけ意地悪な気持ちが芽生えて、ちくりと刺してみることに決めた。  「でも、光輝だって……岩下さんに告白されたでしょ」  「えっ、なんで知ってるん?」  「本当に告白したんだ……」  速攻すぎるよ岩下ルミ。有言実行って感じのタイプだから、納得はできるんだけど。  呆れるよりも感心している私に、光輝ははっきりと言った。 .
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