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西改札を出て、左へ。
待ち合わせの人たちであふれている商業施設の前を横切って。
改札は二階にあるから、バスターミナルのある一階へとエスカレーターで下りる。
目当ての三番乗り場は、すでに行列になっていた。
バスは一時間に数本しかないから、この光景は私にとっては当たり前だ。
この感じだと、もうすぐバスが来るっぽいな。タイミングが良かった。
なんて思っていると携帯が鳴った。母からだ。
「睦月、今どのあたり?」
「バス停。もうすぐバスに乗れると思う」
「そう。じゃあ気をつけていらっしゃい」
「わかった、ありがとう」
電話の声だけなら私はきっとあの頃と変わらないはずだ。
二年。それだけかけて、やっとこの状態なんて……両親はきっと気づかないと思うけど。
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