「ビックリさせるな…心臓が止まったかと思っただろ」

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今日は土曜日。 ジョーとデートの約束だったが 『先輩ごめんなさい。司書の三島先生から図書委員長として呼び出されてしまいました』 なんてドタキャンされてしまった俺。 午前中は大学にちょっとだけ行ってきたけど、午後は暇を持て余していた。 亮にでもちょっかい出してやるかと携帯に手を伸ばしかけた時、ベランダに繋がる窓ガラスに"コツコツ"と何かがぶつかる音が聞こえた。 「……なんだ?これってもしかして、ドローン?」 小型のドローンに紙切れみたいなものが括りつけてある。 手紙か?その紙切れに書かれている内容を見て、俺は慌てて家を飛び出した。 【城ヶ崎かほるを返して欲しければ、ココに来い。FROM秘密結社"猫の爪"】 どうして?何故ジョーが"猫の爪"に拉致られたんだ! 秘密結社"猫の爪"といえば、反社会的な悪の組織。 思い当たる節が無いわけでもないが確証は得られていない。 とにかく地図に描かれた場所に急ぐしかない。 指定された場所は街の中心部から外れた静かな場所にある廃工場。 いかにもって感じだな。 「ジョー!!聞こえるか?ジョー!!」 もちろん返事は返ってこない。 この今にも崩れそうな廃墟のどこかに囚われているのだろう。 早く、助け出さなければ……。 「あら、意外と早い到着だったわね?須賀くん」 「……やっぱり貴女でしたか、三島先生。ジョーを返して下さい」 「ふふふ…さすが須賀くんね。私が"猫の爪"の一員だって事いつから知ってたの?」 「高校の図書室で初めて会った時からなんとなく怪しいとは思ってましたよ。何が目的なんですか?」 「私たち"猫の爪"の目的は今の政府が推し進めようとしているマイナンバーの情報を掌握し、それを我々の監視下の元で崇高な物へと変貌させる。そしてこの国を支配することこそが、私たちの夢なのよ」 そう言って手に持っていたタブレットを操作すると、画面に映像が映し出された。 その画面を俺の方に向けると不敵な笑みを浮かべた三島先生。 「助けて!!フィリップ先輩!!」 「ジョー!!………これは、どういうことですか先生!?」 ジョーの手足には鎖が繋がれ、壁に拘束されている。 「須賀くんあなた"マイクロチップ"を持っているんでしょ?その在りかを教えてくれたら城ヶ崎さんを解放してあげるわ」
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