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ある土地に、二人の男がやってきた。
片方は端整な顔立ちと何処か捉え所の無い細めの目をした青年のように見える男性、もう片方は端整と言うよりも愛嬌が勝つような、しかし小さな体躯から伸びる男性にしては少し長めの髪が、大人びた雰囲気を醸す少年だった。
服装は両名共、白の深衣のような衣装を身に着け、青年は黒い羽織を、少年は緑の貫頭衣を身に着けており、恐らく各地を旅しているのであろうという事がその風貌から見て取れるようだった。
「ねえ、師匠」
「どうしたい愛弟子よ」
二人は土地を進みながらも、少年が青年に話しかけ、青年はそれに応える。 土地にはそれなり伸びている草々が生えているが、そこかしこに瓦礫や鉄屑が見えており、かつてはそこそこには人が住んでいた事を思わせるようだった。
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