第1章

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「えっと、一番最初に挙げられるのは軍事的な意味での戦だと思います。 言論では直接国は滅びませんが、戦はそれが可能ですし」 少年の言葉を聞きながら青年は背負っていた袋からさらに小さな袋を取り出し、その中から取り出した干し芋をくわえていた。 少年にも干し芋を手渡しながら、青年は答える。 「うん、戦は確かに国を滅ぼす。 直接的にも間接的にもね。 町や村だと、その戦争に巻き込まれるだけで簡単に無くなってしまう。 しかしね、この土地……元は小さな国だったが、ここはどうにも戦で滅んだ訳ではないらしくてね」 「となると、他はなんでしょうか。 よくあるのだと飢餓や天災等がありますけど……」 少年は干し芋を食べ、青年をちらりと見ながら疑問を口にする。 同じように青年も干し芋を口にくわえながら話し出した。
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