滅んだ国で干し芋を食べる話

第1章

「それはね、何事も欲張るのはよくないと言う事。　目先の利に囚われ、先を見ることから目を逸らしてはいけないと言う事だよ」

「それは違います師匠。　人の時は有限かつ短命、故に幸福を遠ざけてはいけないのです。　そして、年少者は大切に扱うべきなのです、豊かな土壌に植えられた新たな命こそが国を、生命を長く続かせるのではないのでしょうか」

少年は力を込めながらもそう言う。　しかし悲しきかな、大人と子供と言う明確な体型の差と言うものは非情であり、少年の努力空しく青年の力の前に押され始めていた。