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青年がまだ小さかった頃に死んだ母からの手紙だった、荷造りの時に父が入れたのだろう
涙でこれ以上字が滲まないように手紙を片付け、雨の中傘も差さず、青年は急ぎ足でコンビニに向かい裁縫セットを購入した
家に戻り箱の中のテルテル坊主を取り出す
「ごめん」
そう一言呟き、慣れない手つきでテルテル坊主の首を縫っていく
ぎこちないながらもなんとか縫い終わり、早速テルテル坊主を吊るす
そのテルテル坊主は小さな子供が作った拙いものだった為、頭の重さで逆さまになってしまっていた
「これじゃあ晴れないよな…」
失笑し、子供の頃とはいえ自分のしたことに後悔する
なんとか手直しをして頭がちゃんと上を向くようになったテルテル坊主を撫でながら
「明日は母さんの命日だ、今度こそ天気にしておくれ」
青年は願い、眠りについた
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