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青年は目覚まし時計の音で目を覚ます カーテンを開け、昨日までの雨が嘘のように止んでいることに驚いた ベランダに出て雨上がりの匂いや太陽の暖かさを感じていると、青年は気付いたように部屋に戻り、テルテル坊主に金の鈴を結んだ 「約束通り金の鈴をあげるよ」 チリン 私は首に何かを感じ、首元に触れた 傷の感触は無くなり、鈴が結ばれている 目から熱いものが流れるのを感じた 必死にこらえていた涙が溢れ出す、止まらない 目を閉じてもどんどん涙がこぼれ落ちる 神様お願いだから太陽を隠さないで! ルテがどんなに泣いても雨が降ることは無かった 「もう泣かないで」 空から聞こえた声がした 目を開けるとそこには優しそうな女性が心配そうに私を覗いている 「さぁ、虹の橋を渡りましょう、早くしないと消えちゃうわよ」 私は女性に手を引かれながら虹の橋を渡る とても優しい声、そして懐かしい匂い 「着いたわよ」 橋の先には今まで見たことのない明るい世界と私を歓迎してくれる優しい人たちがいた 「あなたは雨も晴れもどちらも叶えられるテルテルになったのよ」 抱きしめられ、止まりかけていた涙がまた溢れ出す こんなに嬉しいと感じたのは初めてだ、私を直して信じてくれた青年と、昔から知っているようなこの優しい女性に今出せる精一杯の声で伝えたい 風に揺れるテルテル坊主の鈴の音を聞きながら墓参りの準備をする青年 「虹の橋には渡れたかな」 微笑みながら呟き、靴を履く 出かけ前ふとテルテル坊主に目をやると、嬉しそうにチリンチリンと鈴を鳴らして見送っているようだった 「行って来ます、そして」 『ありがとう』
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