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ところ変わって路地裏のストリート。
「はぁ……はぁ……」
桃色のふんわりとウェーブのかかったロングヘアーに、足丈程まである赤いドレスのようなスカートを纏う一人の少女が息を切らしながら何かから逃げるように走っている。
「おいおい待てよ。俺たちエンペラーストームズとデュエルしようぜって言ってるだけだろ」
そんな少女をじわじわと追い詰めながら楽しむように追い掛ける三人の10代程の男たち。
「Gランクの最下層。笹川 霧香(ささかわ きりか) 一人でデュエルチーム名乗る根性は認めるが、ここまでだ」
その先は高い塀。とても登りきれるような高さになく逃亡もこれまでかと少女は振り向く。
「でも……私、ずっと負け続きで……もうあと10pしかなくて」
持ちポイントが0になること、即ちこのバトルロイヤルからの脱落、敗者を意味する。
一見無情のようでもそこは勝負の世界、夢破れた物は星の数ほどあれど脱落だけは嫌だと、少女はただ謝ることしか出来なかった。
「十分、そんなカスポイントじゃ対戦者探しも苦労するだろ、だからこのGランクトップの須藤さんが特別に相手してやるって言ってるんだ」
前髪を右分けの男が尊大な態度で追い込む。
「この須藤雷さんはな! あと10pあれば晴れてFランクへ進出出来るんだぜ」
「同じランクのチームとは一ヶ月に一回しかポイント稼げないからな、近場で残ったのはお前だけなんだよ」
もう一人、左分けの男が逃げ道を塞ぎ少女のデュエルをせざるを得ない状況を作る。
「んっふっ!」
その二人の男たちを押し退け出てきた金髪の身形が整ったいかにも温室育ちな少年が髪をかきあげ踏みよった。
「寧ろお前、運がいいぜ? なんたってこの俺様が偉大なるSランクへ踏み出す為の一部になれるんだ。感謝してくれよ」
「そんな……」
「さぁ、構えろよ」
水晶のついた円盤ような機器を腕に嵌め、少女を追い詰める。
「ここで逃げたら……でも、私が勝てるわけ」
少女は覚悟を決めるしかないと、震える手でソーサラーリングを腕に付けようとしたその時であった。
「ちょーっと待ったぁ!」
突然威勢のいい声が上からする。
一体何事だと、四人は一斉に声のする方を向くと少女の背後にあった塀の上に三人の人影があった。
「な、なんだお前ら!?」
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