ゼロトン

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秋雨がつづけざまにおとずれる。ちょうどいいから、日記を書きはじめようと思う。 晴耕雨読。そんな言葉がある。 近ごろ、読むひまもないのに、本ばかり買っている。 これでいいのか?、、でももし次に訪れたときに、この本が無くなっていたら、悔しい思いをするだろうからと、つい即買いをしてしまう。 ネットで買うときは、欲しい本が決まっているから無駄遣いはしない。 けれど中古品は安いし、目の前に本がズラリと並んでいると、拍車がかかりやすい。あれもこれもと目移りしてしまう。急に、記憶の底からわきだすように思い出す、欲しかったような気がする本などもでてくる。こうなると、もう手におえない。 まあ、それこそ、本屋で買う醍醐味である。と、あきらめることにする。 そんなわけでどんどんたまっていく。せまい部屋に平積みしていく。これからも増えるだろう。 本の塔をみわたす。我ながら、興味の多さと、知識の無さにあきれてしまう。 本という形をした興味と知識。ゆえに、これらに重さはない。どんなに嵩ばってしまってもゼロトンだ。 ともすれば、ほんとうは何もないのかもしれない。俺はコレクターではないから。形あるものは、形あることが、重要ではない。 食物と栄養のようなものだ。実際に、体内に吸収するものには形がない。正確には見えない。内臓脂肪は、気になるところだが、それも、ほんとうは、ないのかもしれない。俺もゼロトン。 ああーなのに、そろそろ眠くてほろほろ。
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