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“はてな王”は各将に指示を出すと、いよいよ【はてな国】の存亡を懸けた壮絶な撤退戦が始まりました。
とは言え、ここまで快進撃を演じてきた猛将達が、更に死に物狂いで戦うのです。重厚な包囲網も何のその、被害は出しつつも、【はてな国】の領地はもうそこまでに迫っていました。
しかし……。
「で、伝令! “なぜ”様、“なにが”様、討ち死になさいました!」
「何!? 何故だ! 何故あれほどの剛の者共が……! くっ、ここにきて安心でもしおったか! よいか、領内に入るまで……いや、本国に戻るまで気を抜くなと全軍に伝えよ!」
「はっ!」
「伝令! “なんじ”様、討ち取られましてでございます!」
「伝令! “いつ”様……戦死なさいました!」
「ま、待て、どうなっておる……ここにきて、一体どうなっておるというのだ! 何故あの者共がそう簡単にしてやられる!」
「伝令!」
【はてな国】の領地まであと数十里という所まで来ながらの相次ぐ猛将達の訃報に、“はてな王”は動揺を隠せません。
報告によると、どうもその辺りに連合軍のとある一軍が構えていたらしく、そこで最後の戦闘が行われているようですが、そこで次々と主力が討たれているというのです。
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