4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「一体、どれほどの軍勢なのだ!」
「それが……」
伝令の言葉は衝撃的でした。
「一騎!? 馬鹿な! たった一騎にだと!」
「厳密には千程はおりますが……その一騎が尋常ならざる強さで、各将皆、その者に討ち取られてしまい……あとは良いように蹴散らされ……」
「馬鹿な……何故、何故そのような者が……」
その後も主力の訃報が続き、主立った名前が消えた頃、最悪の伝令が届きました。
「敵軍、進軍を開始、来ます!」
もはや“はてな王”は色を失い、うろたえるばかりです。
「だ、誰か! 誰か奴らを止めれる者はおらぬのか!」
「我が陣に人無しとは、聞き捨てなりませぬな、殿」
「おお! “どうして”か! そうか、お主がおったではないか!」
“どうして”とはこれまでの戦いで数多く国を滅ぼしてきた【はてな国】最強の武将で、この作戦では“はてな王”の護衛としてただ一人陣に残っていた、文字通り最後の切り札です。
「もはやお主しかおらぬが、ここを切り抜ければまだまだ分からぬ。頼んだぞ」
「必ずや」
そう言うと“どうして”は出陣しましたが、ほどなく伝令がやって来ました。
「伝令! “どうして”様、討ち死に!」
「“どうして”も勝てない……もはやこれまでか……」
「敵軍、来ました! 我々が食い止めます、殿は早くお逃げ下さい!」
「ふ……もう良い。“どうして”も勝てない相手とやらが気になる」
「そこにあられるは、“はてな王”とお見受けする! いざ、尋常に勝負なされよ!」
「なるほど……威風堂々、実に見事なものであるな。よかろう、受けて立つ! 名を聞かせい!」
「我は【オノマトペ国】の“ぐちょぐちょ”と申す! いざ参る!」
最初のコメントを投稿しよう!