苦悩と『たぬきのこ』

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こうしてようやく出会った『たぬきのこ』ですが、〆切は目前&話を作れないという事実が残っていたのです。 確かに先程、イメージしたものを書けば良いと言いました。 ですが、そのまま書いてしまっては、ただの暴走たぬきのこになり、結末に行き着くことができません。 それほどまでにキヌタ達は、次々と楽しいイメージを浮かべさせてくれていたのです。 その時、ふと『ファンタジーなら、たぬきのこの武器は何だろうか?』と思いました。 ファンタジーを書く上で、魔法か武器は必要ではないかと。 ファンタジー=RPGとしか考えられなかったので、キヌタ達に似合う武器を考え始めました。 キヌタは格闘家のイメージがあったので、グローブに……するつもりでした。 だからこそキヌタが本文中に『黄金のグローブ』を欲しがっているシーンが出てくる訳です。 しかし、その後で『真面目なファンタジーは逆立ちしても書けない。もしキヌタを格闘家にしたら、楽しく書くことを忘れ、技や動きを考えることでまたストレスになるかも知れない』と考え直し、キヌタを面白く書くために、ピコピコハンマーを持たせました。 ピコピコハンマーならば叩くシーンも書きやすく、技名も面白く付けて、戦闘の動きを極力減らせると考えたのです。
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