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「アルト、私と暮らしたくないなら同棲解消しても良いのよ?あの時は勢いで言ったんでしょう?」
「何だよ、それ」
「私も一人の方が気兼ねなくいられるし?」
「シェリル」
背を向けるので肩を掴んで向き直させると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言え」
「だって…アルト、私に全然触れてこないじゃない。5日も一緒に居るのにキスすらしないんだもの、嫌になったのかなって」
アルトの手がシェリルの頬に優しく触れてきたので、恥ずかしくてキュッと眼を閉じた。
「しても良かったのか?その…あんなのが初めてになったから、お前の方こそ嫌になったかと思ってた」
何度も首を左右に振るシェリルに安心して微笑むと、ぎこちない感じのまま彼女を抱き締めた。
「…キス、しても良いか?」
「そんなの、いちいち聞かないでよ。嫌だったら殴って止めるわ」
パンチは嫌だなと笑って彼女の顔を見つめると、そっと瞳が伏せられるのでゆっくり唇を重ねた。
久しぶりのキスを交わして、アルトはシェリルを抱き締めたまま切り出した。
「これ以上のことしたら殴るか?」
「…殴らないわよ」
「ずっと我慢してたから、余裕ないぞ?」
「この前だって、そうだったじゃない」
彼女の逃げ道を作って確認もして、それでも大丈夫だと言うので、そっと抱き上げた。
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