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「怒らないでよ?……その、手解き受けてたの」
「手解きって…ブレラか!?」
身近な男としてとっさに浮かんだ相手の名を口にしたら、慌ててシェリルが否定した。
「ブレラとはそんなことしてないわよ。グレイスよ」
「何でそんなこと」
「キスくらい慣れてる方が男を楽しませられるわよって」
「…あのクソババア」
グレイスの高笑いが聞こえたような気がして、アルトが反対側を向いて小さく毒を吐くとシェリルに向き直った。
「まさか、それ以上も?」
「!してないわよ!それに、手解きって言っても唇重ねる軽いものだけよ」
「それで俺の頬にしてきたとき、平気だったわけだ」
「…平気なわけないじゃない。顔見せないように帰るの、大変だったんだから」
シェリルからのキスに呆然と立ち尽くし手を振る後ろ姿を見送ったが、 その時の彼女も今くらい顔が真っ赤だったと言うことか。
そんなことを思うとシェリルが愛しくて、抱き締めてから唇を重ねる。
「キスはあれだけど、それ以外はアルトが初めてよ?」
「…本当にお前は。明日、唇腫れるの覚悟しておけよ?」
「え?ちょっと、待っ…」
煽ったんだからこの際とことん上書きしてやると、再び唇を重ねながら彼女をそのままソファに押し倒した。
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