始まりの日

2/6
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
「……おい 貴彦!!」 今日もまた親父の怒鳴り声で俺の朝は始まった。 「なんだよ朝っぱらから?」 「朝飯後にねてんじゃねぇ。お前の出番だ!とっとと来い!」 「ったく…どうせまたチンピラ退治だろ?」 俺は疾風貴彦(ハヤカゼ タカヒコ)。 カード屋の店主の養子だ。 実の両親は過去に事故で亡くなった。 その際幼かった俺は、両親と馴染みの深かった近所のカードショップを経営する、このガスタ・クルセイドの疾風勝彦さんに養子として迎え入れられた。 デュエリストの基本を厳しいながらも、数多く教わったことは感謝しているのだが…いかんせん人使いが荒い。 「あぁ。後で報酬はやるからとっとと片付けちまいな。」 「ったく……」 俺は渋々外に出た。 どうやら今日も店にいたチンピラを退治する目的で呼んできたらしい。 何人もいたりする時もあるが、今日はスキンヘッドと言えばいいんだろうか?とりあえず丸ハゲのチンピラ一人の相手らしい。 「さっさと片付けるか。おいそこのハゲ。お前はライフ8000で俺はライフ4000でやろうぜ。その代わり俺は手札を6枚持った状態で先行をもらう。ま、これでも勝てないだろうがな」 「なめやがって…その余裕を後悔させてやる。」 「「デュエル!」」
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!